フレンチ・ブルドッグ
French Bulldog
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ブルドッグがイギリス出身であるのに対して、フレンチ・ブルドッグはもちろんフランス出身。
その関係に関しては諸説ありますが、フレンチ・ブルドッグは闘犬ではありません。
大きな耳とまぁるい黒目が表情豊か、抱きしめたくなるかわいさです。
基本情報
体型 ⇒ 中型犬
体高 ⇒ 26~31㎝くらい
体重 ⇒ 10㎏くらい
被毛 ⇒ 短い被毛はやわらかく光沢がある
カラー ⇒ ブリンドル、フォーン、ホワイト&ブリンドル
原産国・地域 ⇒ フランス
寿命 ⇒ 11~12歳くらい
フレンチ・ブルドッグの歴史
~姿は似ていますが、もともとブルドッグとは正反対な性質なのです。~
フレンチ・ブルドッグの起源については諸説ありますが、イギリスのブルドッグが原種であるという国際的には最も定着しています。その説に沿えば、イギリスの小型ブルドッグがフランスに渡り、パグやテリアなどと交配されて作出されたのがフレンチ・ブルドッグであるとされています。
闘犬ブルドッグの繁殖過程で生まれた小型軽量、たち耳、温和な性格の犬はイギリスでは注目されることがなく、フランスに持ち出され、まったく用途の異なる犬に仕上げられたとみられています。
フレンチ・ブルドッグは当初フランスでねずみ駆除の目的で繁殖され、20世紀の中ごろまでには労働者階級の家庭犬として普及していき、やがて上流階級の貴婦人たちの間で人気となりました。
フランスの女性たちは、たちまちその愛らしい小型犬に魅了されてしまいます。当時のイギリスでは立ち耳は不評の原因となっていたのですが、フランスの人々は特にこの犬の立ち耳に魅力を感じたようです。
犬を扱う商人たちが、このどこかおどけた表情の小型犬をイギリスからフランスへどんどん持ち込むやいなや、この小型犬がパリで大流行することになります。フランスの繁殖家たちはこの犬に「ブルドッグ・フランセ(フレンチ・ブルドッグ)」という名前を付け、こぞってこの耳の立った「コウモリ耳」の犬を繁殖し始めました。19世紀も終わりになると、フレンチ・ブルドッグは、上流階級の人々からも注目を集めるようになり、たくさんのフレンチ・ブルドッグがすばらしいお屋敷で飼われることになりました。
そもそもフレンチ・ブルドッグの主たる特徴は、闘犬最盛期のイギリスのブルドッグに望まれたものとは正反対のものです。
そして本家ブルドッグが、闘犬禁止になった後ブルドッグ犬種存続のために闘争的な性格を改良する必然性が高まったとき、フレンチ・ブルドッグが逆輸入されその改良に貢献したことは事実です。フレンチ・ブルドッグがブルドッグの小型化と闘争心の排除に役立ったのです。
フランスで流行していた頃、ちょうどフランスに来ていたアメリカ人がこの犬種に目をつけて、何頭かをアメリカに持ち帰り、熱心に繁殖を始めました。1898年、もっとも優雅なフレンチ・ブルドッグだけのショーが開催されました。その上品で優雅なショーは、お金持ちの観衆を魅了し、フレンチ・ブルドッグは、アメリカ人たちを完全に虜にしてしまいます。その後、上流社会でのフレン チ・ブルドッグの人気は急上昇し、1913年には、アメリカで人気ナンバーワンのショードッグに輝くことになりました。
フレンチ・ブルドッグのコウモリ耳は、イギリスのブルドッグとの決別の象徴として特別な意味を持ちます。現在のスタンダードではコウモリ耳以外のものは失格と定義されています。
ちなみにブルドッグはローズ耳です。
フレンチ・ブルドッグは、典型的な小型のモリシアン・ドッグで、小型ながらがっしりとしていて筋肉質です。スクエアな頭部、しわくちゃな顔に、つぶれたしし鼻と、ややしゃくれた下顎が特徴的で、愛嬌のある外見を形作っています。しっぽは自然に短くなっています。
フレンチ・ブルドッグの性格・気質
性格は利口で気立てがよく、陽気で活発、スポーツや遊びが大好きで、飼い主や子どもに対してとても愛情が深いです。何に対しても好奇心旺盛で愛情深く、繊細で濃やかな心を持った犬種です。とても賢くて、人の会話も大半を理解してくれますので長く付き合うと、犬と言うよりは人に近い存在になってくる知的レベルの高い面があります。飼い主に抱かれたり、寄り添ってうたた寝したりすることに幸せを感じます。愛想がよく、誰とでも仲よくなれる性質の持ち主です。
ブルドッグのような頑固さは見られず、ほとんど吠えない飼育しやすい犬種です。
フレンチ・ブルドッグの飼育
フレンチ・ブルドッグは遊びが好きなので、散歩はリードを短く持ち、その犬の体力に合った適度な散歩をするだけで十分です。あまり長時間のお散歩は必要ありませんので、散歩というより、気分転換やゲームなどでストレス発散してあげると良いでしょう。
とても遊び好きでやんちゃな犬ですが、運動は最低限で大丈夫です。屋外を楽しそうに走り回ったりしますが、暑かったり湿気が多いと調子が悪くなってしまいます。あまり長く屋外で過ごさせない方がよいでしょう。鼻がつぶれているので、気道が短くすぐに呼吸が荒くなるので、熱がこもりやすく、熱中症などになりやすいです。真夏の日中の散歩は避けて、逆に冬は暖かい日中に出かけるようにしましょう。
ほとんどのフレンチ・ブルドッグは泳ぐことができません。いびきをかいたり、ゼーゼー音を立てて息をしたり、よだれをたらしたりするのもフレンチ・ブルドッグの特徴です。
口元が「受け口」の為、硬い食べ物は苦手です。水分多めの柔らかいフードが食べやすいでしょう。
フレンチ・ブルドッグの被毛・毛色・お手入れ
フレンチ・ブルドッグの被毛は滑らかで短く、毛色はフォーン、ブリンドル、ホワイトがあり、それぞれに班や差し毛があるものなどがあります。街などで多く見られるのは、暗色のフレンチ・ブルドッグです。フレンチ・ブルドッグは被毛が短いので、手入れはわりと簡単で、日常的な手入れは獣毛ブラシでブラッシングしてあげる程度でいいでしょう。運動したあとなどは蒸しタオルで拭いてあげましょう。
気をつけたいこととしては、鼻のまわりなどの深いしわには汚れがたまりやすいので、食後などにタオルや綿棒を使ってきれいに拭いてあげるように心がけましょう。
フレンチ・ブルドッグの健康管理
短頭種と呼ばれる仲間で、体内の熱放散が苦手です。そのため、すぐに体温が高くなって、熱中症になってしまいます。暑さには非常に弱いので特に夏場の温度管理には十分気をつけましょう。
気をつけたい病気としては、皮膚疾患、血友病、神経疾患、眼疾患、腎疾患などがあります。
フレンチ・ブルドッグは、よだれが多く、顔のしわに汚れがたまりやすいので、皮膚病の予防のために、普段から食後や運動の後などに拭いてあげ、清潔を保つように心がけましょう。
フレンチ・ブルドッグは肥満になりやすいので、エサの与えすぎにも注意が必要です。食事の管理に加えて、毎日の運動、特に自由運動と縄などを使った引き運動が必要です。ただしあまり運動をさせすぎたり、はしゃぎさせ過ぎると酸欠になり白目をむいて痙攣することがあるので注意しましょう。
また眼が突出しているために眼球が傷つきやすく、涙が出たり、眼が白く濁ったりします。炎症にも注意してあげましょう。
注意が必要なことでは、飛行機に乗せると死亡するケースが相次ぎ、国内ではこの犬種の飛行機持込は禁止になってきています。