ヨークシャー・テリア

ヨークシャー・テリア(ヨーキー)

Yorkshire Terrier

⇒子犬情報はこちら

ヨーキーの愛称で親しまれる代表的な愛玩犬です。その姿は絹のマントをまとった小さな貴婦人のように可憐ですが、性格は明るくてエネルギッシュです。

基本情報

体型 ⇒ 小型犬

体高 ⇒ 15~18㎝くらい

体重 ⇒ 2~3㎏くらい

被毛 ⇒ まっすぐに伸びた、長くてつやのある短い絹のような被毛

カラー ⇒ スティール・ブルー&ゴールデン、タン

原産国・地域 ⇒ イギリス

寿命 ⇒ 14歳くらい

 

ヨークシャー・テリアの歴史

19世紀の中頃に、イギリスのヨークシャー地方の、炭鉱や織物工場などがある工業地帯で働く貧しい人々の家屋を荒らしていたネズミたちを捕まえるために飼われていたため、ヨークシャー・テリアと名づけられ、「ヨーキー」の愛称で親しまれています。正確には1862年に「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ ヨークシャー・テリア」と命名されたものの、長すぎて定着せず、1870年頃からヨークシャー・テリアと呼ばれるようになったようです。
イギリスのヨークシャー地方は、昔から優良な動物を繁殖することで知られており、この地で「ヨーキー」が誕生したのは、もちろん偶然ではありませんでした。ヨーキーは綿密な計画のもと、おそらく、ウォーターサイド・テリアやクライデスデール・テリア、ペイズリー・テリア、さらに、スカイ・テリア やダンディ・ディンモント・テリア、マルチーズまでを含めたさまざまなテリア種を交配して作られたものと考えられています。中でも、ウォーターサイド・テリアが一番影響の大きい祖先犬だといわれています。この犬種は、スコットランドから織工たちによって持ち込まれた犬で、青っぽいグレーの美しい長毛で覆われた、体重10ポンド(約4.5kg)前後の小型の犬でした。
あまり華々しくない生い立ちのため、当時、ヨーキーは裕福な愛犬家たちから見下されていました。しかし、上流階級の人々の多くが、ヨーキーの美しさを目の当たりにして注目し、富裕層のペットとして大流行し、婦人の抱き犬として人気が高く、世界中で最も知名度の高い犬種として定着しています。貴婦人たちに抱かれたヨークシャー・テリアの美しい被毛が、その胸元を美しく飾り、「動く宝石」と形容されました。
現在のヨークシャー・テリアは、小さく、もっとも豪奢な被毛をたたえた犬種のひとつです。テリアの血統を引く、これらの特色によって、ヨークシャー・テリアは、現在も飼い主たちやショー愛好家たちの人気者として確固とした地位を獲得しています。日本では皇太子妃の実家で飼育されていた事により、一時的に人気を呼んだことがあります。

ヨークシャー・テリアの性格・気質

流れるように美しい被毛と小さいその姿からは想像が付きませんが、この犬種はとてもエネルギッシュ、いつも忙しそうに動き回り、好奇心が強く、大胆かつ頑固、短気な面もあり、そのくせ甘えん坊でもあり・・・まさに正真正銘テリアの血を引いた犬といえます。知らない犬や小動物に対して攻撃的になることがある のはネズミ捕りを仕事として作られたからこそです。体重3kg弱の小さい体も可愛らしさを追求するためではなく、鉱山者の両手が空くようポケットサイズにされたもの。ネズミを捕る仕事は耐久力、粘り強さ、勇猛な気質を持ち合わせなければできません。それを仕事にしてきたヨーキーは外観だけで判断するのではなく、その作られた歴史を知ることが本当の性格や気質を知ることに繋がります。
吠え癖を持った犬も少なくなくありませんが、トレーニングによって直すことができます。

ヨークシャー・テリアの飼育

ヨークシャー・テリアはサイズや外貌からアクセサリー的愛玩犬と思われがちであるが、テリア気質は健在で、活気と自尊心にあふれた、きわめてエネルギッシュな犬です。「目で話す犬」と言われるように表情豊かで明るく、知的で感覚鋭敏、気品を備えコンパクトで堂々とした風格を持っています。

小さいから、可愛いからだけで飼い始めると「こんなはずではなかった」となる飼い主も多いはず。エネルギーを存分に持ち、気難しいテリアの気質も受け継ぐ ヨーキーは大きさだけで初心者に向いていると判断してはいけません。この犬を飼育する多くの人は犬を手に入れたときから甘やかし、抱っこ犬としてしまい、犬に学習させることや、社会経験を積む機会を与えていないように思えます。社会経験を十分に積まないと神経質になり、他の人、犬に対して吠え癖を持ちやすく、結果、他者とコミュニケーションが取れないストレスが家族へのワガママに繋がりがちなのです。この犬種を飼うならば、この犬種は“小さくて可愛いぬいぐるみ”、“アクセサリー”ではなく、体は小さくてもテリアの気質を持つ犬として向き合い、決して家族だけの抱っこ犬にしないように注意しましょう。
ヨークシャー・テリアは、家の中にいる時でも自分で好き勝手に動き回るので、それだけである程度の運動にはなっていますが、それとは別に、ゲームのように 一緒に遊びながら運動させることが必要です。軽めの散歩をさせたり、安全な場所で散策させたりできれば、一層喜ぶでしょう。
屋外で過ごさせるタイプの犬ではありません。

ヨークシャー・テリアの被毛・毛色・お手入れ

ヨークシャー・テリアの被毛は重要視されてきたので、爪で掻いて痛めないように靴を履かせる習慣があったほどです。今でも他の犬種に比べて、被毛の良否(毛量・毛質・長さ・色調)が重要視されています。生後2~3ヵ月までの被毛は黒く、3~4ヵ月頃から頭部が砂色を経て褐色になり始めます。ボディの被毛がスティール・ブルーに変わるには1年以上を要するといわれ、最終的な被毛の色は、生後2歳ぐらいになるまで定まりません。
ヨークシャー・テリアは成犬になると、長くて細い光沢のある被毛が、背中から左右にきれいに分かれてまっすぐ垂れ下がっています。この分け目は鼻からしっぽまで続いていて、気品あるヨークシャー・テリアの最大の特徴となっています。ヨーロッパのドッグショーではヨークシャー・テリアに限り特別な台に乗せて被毛を評価する習慣があるほどです。
体格もコンパクトに引き締まっていて、直立した姿勢も美しく、愛くるしい表情で人気の犬種となっています。
ヨークシャー・テリアは、その美しい被毛を保つために、頻繁なトリミングが必要になり、非常に手間のかかる犬種であるといえるでしょう。放っておくと毛がどんどん伸びて、眼に入って眼疾患になったり、食事のときについた汚れが皮膚疾患の原因になったりする場合があります。
長くなった毛はラッピングといって、毛を束ねて紙でまとめ、ゴムでしばってあげるといいです。コームやブラシ、専用のシャンプーやリンスを使って、2週間 に一度くらいのペースで洗ってやり、ピンブラシなどで毛並みを整えながら充分に乾かしてあげましょう。また爪も伸びやすいので定期的に切ってあげましょう。

ヨークシャー・テリアの健康管理

寒さに弱いので、冬場は暖かい服を着せるなどして保温してあげましょう。運動量は日光浴を兼ねて、日に10~20分程度の散歩をするといいでしょう。フローリングなどで足をすべらせて、小型犬に多い膝蓋骨脱臼になりやすく、また歯も弱いので、健康状態に注意するようにしましょう。激しく運動すると足腰に負担がかかりやすく、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアなどを起こす傾向がありますから注意が必要です。
食事の回数は、成犬で1日2回、幼犬の場合は1日の食事量を3回から4回にわけて与えるようにします。
ただ、食事の量には個体差がありますから、運動量や便の様子から見極めます。便が硬い場合は食事量が少なすぎで、柔らかい場合は多すぎということです。食欲のある子は勢い良く食べたあと、水を飲み嘔吐することがあります。

 

 

【広告】

 

 

 

 

 

PAGETOP