ポメラニアン

ポメラニアン

ポメラニアン

Pomeranian

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日本のペットブームの幕開けはポメラニアンから始まったといっても過言ではないほど、ポピュラーな犬種です。いつもコロコロとよく動く毛糸玉のようなポメラニアンは、いっときでもじっとしていない活発な犬種です。好奇心が強く、遊び好きで、自信に満ちており、いつも何かゲームや冒険をしようと身構えているようなところがあります。立ち姿は凛と美しく、勝気さと優しい性格を映す黒い瞳がチャームポイントです。

基本情報

体型 ⇒ 小型犬

体高 ⇒ 20㎝くらい

体重 ⇒ 2~3㎏くらい

被毛 ⇒ 柔らかな下毛と、豊かな直毛のオーバーコートで覆われている

カラー ⇒ ホワイト、レッド、オレンジ、グレー、ブラック

原産国・地域 ⇒ ドイツ

寿命 ⇒ 14~15歳くらい

 

ポメラニアンの歴史

ポメラニアンの祖先はアイスランドやラップランドの氷原でそりを引いていた大型のスピッツ族サモエドです。それが、ドイツに移入され牧羊犬、番犬として定着するに従って徐々に小型化していったといわれています。ドイツでは今でも「小型スピッツ(ツヴェルクシュピッツ)」と呼んでいます。ポメラニアンの名前の由来は北ドイツのポメラニア地方で多く飼育されていたからです。
イギリスのビクトリア女王はポメラニアンを愛好していましたが、1888年イタリアを旅行したときに、ポメラニアン『マルコ』が贈られたのがはじめです。ビクトリア女王は優良な系統をヨーロッパに普及させた功労者であるといわれています。ビクトリア女王が亡くなるまえに枕元に呼ばれたのは『トーリ』と呼ばれるポメラニアンだったそうです。

日本では高度成長期に座敷犬のブームが起こり、マルチーズ、ヨークシャー・テリアと共に「愛玩犬の御三家」と称されました。
しかし、急速に普及していったため無秩序な繁殖がおこなわれたためか、好ましくない資質が固定化してしまった時期があります。そのため、日本ではポメラニアンは「神経質」「好戦的」という風評が定着しています。日本で1950年代に流行し、甲高い声でよく吠えるという悪評があったジャーマン・スピッツの系統であることも一員であると思われます。一般に室内で飼育される犬は、家族以外の他人に過剰な警戒心を持ちやすいということも原因のひとつと考えられます。

ポメラニアンの性格・気質

好奇心旺盛でチョロチョロと部屋を行ったり来たり、元気がよく、いつも何かを探してはしゃぎ回っているこの犬種はよく言えば元気で活発、悪く言えば落ち着きがなくてじっとしていられない特徴を持ちます。ちやほやされるのも大好きで、特に警戒心の出ていない子犬の頃は誰にでも愛想を振りまき、その愛くるしい姿には多くの人がその魅力に負けるでしょう。その反面、警戒心が出てくる月齢になると慣れていないことや人、犬には過敏に反応、興奮して吠えが出やすく、 声が大きく、一度吠え出すとその興奮がなかなか収まらないのもこの犬種の特徴です。また自己中心的な面も強く、自分にとって嫌なことをされると歯を剥いて怒ることもあるため、子犬の頃に社会性を育み、体の隅々を触れるように慣らしておく必要があります。

ポメラニアンの飼育

室内での運動だけでも満足する犬種で、むしろ散歩を億劫がる子の方が多い傾向にあります。
小型犬に多い神経質な一面も持っていて、コミュニケーションが足りなかったり、甘やかしすぎたりすると、無駄吠え が多くなったり、多少攻撃的になってしまったりもします。

人と共に暮らす上でこの犬種に出やすい問題はズバリ「吠え」です。成犬となり、警戒心が出てきても子犬の頃と変わらず家族以外の人・犬と仲良くできるためには、小さい頃からの社会化(初めて、慣れないことを受け入れやすい時期に沢山の人・犬との触れ合い、社会経験を積ませ、慣らしておくこと)が不可欠です。 刺激に過敏で興奮が収まりにくいタイプでもあるので、落ち着ける専用のプライベートルームを用意し、縄張り意識を家全体に持たせないためのハウストレーニングと、チャイムで吠え出さないようにする練習も必要でしょう。

ポメラニアンの社会ではリーダーが先に食事をします。食事の時こそ誰がリーダーかを教える絶好のチャンスだといえます。目の前で器を置かれることで餌をくれる人が飼い主だとわかりますし、飼い主が食べた後に与えられることで、誰がリーダーかを認識するようになるのです。

また毛玉になりやすい犬種であり、ブラッシングが不可欠なので、体の隅々を触れるようにしておくことはもちろん、ブラシ嫌いにならないよう小さいうちからブラシに慣らしておくこともとても大切です。

ポメラニアンの被毛・毛色・お手入れ

ポメラニアンの最大の特徴は、その豊かな被毛です。顔と足の先以外は非常に豊かなダブルコートで覆われていて、胴も短いため、全体的に丸みを帯びたスタイルになっています。特に首や胸のあたりの毛は量が多く、そのまま肩まで覆っています。ダブルコートの下毛は柔らかい綿の毛で、豊富な上毛はまっすぐです。しっぽにも長い飾り毛がついていて、背中に背負うような形になっています。丸く少し突き出た額や、三角形の小さな耳もかわいらしさを演出しています。
ポメラニアンはもともと北方系なので、寒さに耐えるようにダブルコートになっていますが、改良が進んだので、毛はやわらかく非常に細いです。毛色は白、 黒、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリーム、オレンジ・セーブル、ウルフ・セーブル、ビーバー、ブルー、ブラック・タン、パーティーカラー など、様々です。
ポメラニアンは被毛が多く、毛の質もやわらかく細いので毛玉になりやすいです。こまめなブラッシングが必要になりますが、無理にブラッシングすると毛が切れてしまうので、コームやスリッカーブラシを使って毎日優しくブラッシングしてあげましょう。トリミングは定期的に専門家にお願いするといいでしょう。

ポメラニアンの健康管理

活発ながらも小柄なポメラニアンには、毎日運動させることが必要ですが、短めの散歩をしたり室内でゲームを取り入れたりすれば十分です。幼少期の激しい運動は禁物です。まだ骨が未熟な時期に激しく走り回ったり、長時間運動をさせると、足腰の関節を痛めることもあります。特に膝(ひざ)は痛みやすいので、膝蓋骨脱臼に注意しましょう。
骨が細いので、椅子から飛び降りただけでも骨折してしまうことがあるので注意が必要です。
また流涙症などの眼の疾患にもかかりやすいので、気をつけなくてはいけません。
ブラッシングを怠ると全身毛玉で皮膚病を引き起こすことも少なくありません。日頃のケアには十分に気をつけましょう。

 

 

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