マルチーズ

マルチーズ

Maltese

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マルチーズは3000年以上の歴史を有する非常に古い犬種で「犬の貴族」といわれています。
小柄で華奢な体格で、短い足がとても愛くるしいです。最大の特徴はなんといっても、純白でまっすぐ伸びた長い被毛です。白いふさふさの毛の奥の暗色の眼も可愛らしく、長い間世界中で愛され続けているのも納得できます。

基本情報

体型 ⇒ 小型犬

体高 ⇒ 20~25㎝くらい

体重 ⇒ 2~3㎏くらい

被毛 ⇒ 長毛

カラー ⇒ ホワイト

原産国・地域 ⇒ マルタ共和国

寿命 ⇒ 14~15歳くらい

 

マルチーズの歴史

マルチーズは、ヨーロッパで最初から愛玩犬として飼われた犬種として、もっとも古い歴史を持っています。紀元前1500年頃貿易で都市国家を繁栄させていたフェニキア人たちが、地中海のマルタ島に持ち込んだものが、シチリア島を経由して、古代ギリシアやローマで飼育されるようになりました。フランスでは15世紀頃に貴婦人たちの間で流行しました。
マルチーズは非常に古い歴史を持っていて、マルチーズという名前はマルタ島から来ています。紀元前1500年頃、フェニキア人の船員のペットとして、船の中で飼われ、貿易の中継点だったマルタ島に持ち込まれたといわれています。この犬たちはよくヨーロッパやアジアに持ち出されていきましたが、マルタ島に残ったマルチーズたちは他の犬種と隔離され、何世紀もの間純粋な交配が繰り返されてきたため、結果として独特な特質を受け継ぐことになりました。長く、シルクのように輝く純白の被毛はこの犬種のトレードマークですが、初期のマルチーズには白以外の毛色も存在していました。

その後、各国に広まっていき、古代ギリシアの陶芸品にはマルチーズの姿が描かれ、15世紀のフランスでは貴婦人たちが宝石をつけるようにマルチーズを抱き、19世紀にはイギリスのビクトリア女王がペットとして愛し、マルチーズはヨーロッパ各国で一躍人気になりました。
犬の貴族と呼ばれるマルチーズは、狩猟犬や番犬ではなく、生まれながらに愛玩犬として愛され、日本でも1970年代に爆発的人気を誇り、現在でも世界中で高い人気を誇っています。

アメリカでは、1877年頃までマルチーズは「マルチーズ・ライオン・ドッグ」として紹介されていました。「ライオン・ドッグ」という名前はアジアの愛好家たちによってつけられたもので、彼らが犬たちの被毛をライオンのたてがみのように切っていたことに由来していると考えられています。

マルチーズの性格・気質

マルチーズは長い間愛玩犬として飼われているだけあって、とても温厚で優しく、それでいて活発で遊び好きです。また賢く、トイレなどのしつけの飲み込みも早いので、非常に飼いやすい犬種であるといえるでしょう。人間のことが大好きで、誰に対しても友好的に接してくれます。また、賢くて物覚えもよく、抱っこされるのが大好きなセラピー犬でもあります。
甘やかしすぎたり、逆にコミュニケーションが足りないと、無駄吠えが多くなったりするので、小さい頃から愛情を持って接してあげましょう。
かわいらしい容姿のマルチーズは、長い間人々の「抱き犬」としてもてはやされてきましたが、野性的な面も持ち合わせており、活発に走り回ったり遊んだりすることも大好きです。純白の長い被毛に覆われた気品ある外見とは裏腹に、大胆な気性の持ち主で、自分より大きな犬に対してでも向かっていくことがあります。見知らぬ人にはあまりなつかず、なかには吠え癖を持った犬もいます。

マルチーズの飼育

飼い主に慣れ易い反面、見慣れない人にはなつきにくいという気質が、現在のライフスタイルにおいては、チャイムや来客、他犬に対する吠えに繋がりやすく、特に集合住宅で飼育する際の問題になりやすいのがこの犬種の特徴です。可愛いからと箱入り娘のように家の中だけで甘やかし、家族と過ごしているだけではいけません。社会化期(慣れていないことを受け入れやすい時期)に隣人含め家族以外の人、小さい子供、他犬と良好な挨拶の機会を一回でも多く持つことが後になって何より大きく影響します。
運動量は多くなく散歩量は少なくても平気な犬種ですが、散歩は運動のためだけではありません。色々な匂いを嗅ぐ、他の人、他犬と挨拶をする社会的な機会でもあるのです。可愛い娘だからこそ外との接点をどんどん持たせましょう。
活動的な生活を続けるとそれなりに、室内だけの飼育でもそれなりに順応できる適応力の広い面があります。しかし、ちやほやしすぎると、勘違いしてαシンドロームを引き起こしやすいタイプです。

マルチーズの被毛・毛色・お手入れ

マルチーズの純白の被毛は、絹糸状で光沢があります。下毛がないシングルコートで、床に届くほど長くまっすぐに伸びる長毛です。体の両側にきれいに垂れ下がり、その長い被毛は鼻先から耳、しっぽの先まで続いています。
マルチーズの長い被毛は、毎日のブラッシングやコーミングが欠かせません。また純白の毛を保つための手入れも必要です。眼の下は涙焼けをして茶色いすじがついてしまうことがあるので、濡れたガーゼかコットンで毎日目元を拭いてあげましょう。また食後には口のまわりもきれいに拭いてやり、お尻まわりも清潔を保つようにしましょう。シャンプーも月に1、2度行い、毛がよく伸びるので定期的なトリミングも必要です。
ショーに出すのであれば、被毛の美しさを保つためにラッピング(長い被毛を紙で巻いてとめておくこと)をしてもよいでしょう。飼う場所によっては被毛の純白を保つのが難しいこともあります。バリカンやはさみでむだ毛を刈ってしまえば手入れが楽になりますが、マルチーズ本来の特徴がなくなってしまうのであまりおすすめしません。

マルチーズの健康管理

小型犬に多い膝蓋骨脱臼予防のためにも肥満に気をつけてあげましょう。
マルチーズの食事の回数は、子犬なら3~4回、成犬で1~2回にします。胃袋も大きくはないため、食べ過ぎよりも腹八分で気持ち足りないくらいがちょうどいい目安です。15分程度ですべて食べてしまうくらいの量が適切といわれていますが、個体ごとに適量は違いますので、便の量や固さを見て調整してあげましょう。
多量の涙と目やにのために、目の周辺の被毛が赤く変色する流涙症が多く見られます。白内障や緑内障など目の病気にかかりやすいので気をつけてあげましょう。
また子犬の時期は低血糖症を起こしやすいので注意が必要です。

 

 

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