ビション・フリーゼ
Bichon Frise
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純白のカールしたむく毛に包まれた、陽気な小型犬、ビション・フリーゼはフランス語の「愛くるしい・巻き毛」という意味です。貴婦人の間で「白い抱き犬」として大変に愛されていました。
基本情報
体型 ⇒ 小型犬
体高 ⇒ 30㎝くらい
体重 ⇒ 6㎏くらい
被毛 ⇒ 絹糸状の長めの巻き毛
カラー ⇒ ホワイト
原産国・地域 ⇒ フランス
寿命 ⇒ 15歳くらい
ビション・フリーゼの歴史
ビション・フリーゼの発祥地は地中海沿岸とされ、「バーベット」という大型のウォータードッグと、白い小型犬を掛け合わせて作られたのが起源といわれています。この掛け合わせによって「バービションズ」という系統が作り出され、その後、名前が「ビション」と省略されました。
当時、ビションという系統はビション・マルチーズ、ボロネーズ、ハバニーズ、テネリフェの4種類に分けられていました。その中で、スペインの船乗りがスペイン・カナリア諸島のテネリフェ島に持ち込んだとされているテネリフェが、のちのビション・フリーゼだと考えられています。
14世紀にイタリア人水夫たちがカナリア諸島のテネリフェ島より、ヨーロッパにつれてきたのがきっかけでこの犬種は知られるようになりました。すぐにヨーロッパの貴族社会で「白い抱き犬」が注目を集め、16世紀、フランスのイタリア侵攻後には、フランスに渡り、フランシス1世やヘンリー3世の愛玩犬として愛されることになりました。そしてリボンをつけられ香水を含む水でシャンプーされ、貴婦人たちに愛されました。スペインをはじめ、ヨーロッパ各地で人気のあったビション・フリーゼですが、その後なぜか人気は停滞気味となります。ナポレオン3世が君臨していた 19世紀前半に、再度人気上昇の兆しを見せましたが、この人気は長くは続きませんでした。ナポレオン3世時代以降は、政治体制の変化や価値観の変化と共に、一般家庭でも飼育されるようになりました。
ところが、第一次世界大戦により最初の絶滅の危機に襲われることになります。数人のフランス人繁殖家たちがビション・フリーゼの救済運動に乗り出し、1933年、この犬種は正式にビション・プワル・フリーゼ(巻き毛のビション)と命名されることになりました。 その後、第二次世界大戦で第ニの存続の危機に見舞われますが、1950年代にアメリカに持ち込まれたことで、ようやくビション・フリーゼという犬種として落ち着いたものとなりました。
かつてビション・フリーゼはヨーロッパの宮廷でライオン・スタイルに刈られるのが普通でした。
現在のビション・フリーゼのトリミング・スタイルは、近年になってアメリカ人のトリマーが考案したもので「パウダー・パフ」と呼ばれています。この独特のカットの功績によってビション・フリーゼが注目されるようになりました。
ビション・フリーゼの性格・気質
活発でクルクルとよく動き、陽気で愛らしいビション・フリーゼは誰からも愛される犬種です。頭も賢く、しつけにも苦労しません。長い間抱き犬として飼われていたため、病人が暖房代わりに抱いていたというほど、抱かれても嫌がりません。
明朗で快活、賢く素直です。非常に甘え上手な天性の愛玩犬です。屈託なく愛らしい性格には抗い難い魅力がありますが、やはり過度の甘やかしは避けたいものです。幸い訓練もしやすいので、愛情を持って一貫性のあるしつけを心がければ大丈夫です。見知らぬ人はもちろん、他の犬や動物にも屈託がなく、子供ともうまくやっていけるでしょう。少々吠え癖がみられる時もありますが、基本的には感受性が豊かで飲み込みが早く、愛情深く、愛玩犬としては申し分ない犬種といえます。
ビション・フリーゼの飼育
ビション・フリーゼは小柄ながらも活発な犬なので、毎日の運動が欠かせません。室内でたっぷりゲームをさせたり、外で自由に遊ばせたり、短い散歩をしたりといった運動を取り入れましょう。陽気で飼い主と遊ぶのが好きなので、室内でもいっしょに遊んであげると、コミュニケーションもとれていいでしょう。
全身の白さを美しく保つためにも、室内で飼うことをおすすめします。
ビション・フリーゼの被毛・毛色・お手入れ
ビション・フリーゼの被毛は、しなやかに巻いた長い上毛と、やわらかく密生した下毛のダブルコートで、毛色は純白です。抜け毛が少なく、体臭もほとんど気にならないので、室内犬にはぴったりです。
ビション・フリーゼは、シルク状の巻き毛が密生しているので、手入れには手間がかかります。毛がはえ変わることはありませんが、抜け毛がすぐに絡まってしまうので、被毛はていねいにブラッシングをしてあげてください。ビション・フリーゼ独特のカットを維持するのであれば、月に一度は専門のプロにトリミングしてもらうとよいでしょう。
爪、歯、耳などの手入れも欠かせません。シャンプーは汚れが気になったら必要に応じて行いましょう。
毛の下の身体は意外にも筋肉質です。目と鼻は黒く、飾り毛のある垂れ耳ですが、毛で隠れています。
ビション・フリーゼの健康管理
小型犬に多い膝蓋骨の脱臼や関節の疾患に注意しましょう。
シスチン尿石症、シュウ酸カルシウム尿石症。ストラバイト尿石症、リン酸カルシウム尿石症といったあらゆる尿石症を発症しやすい傾向にあります。注意しましょう。